当社では、多種多様な構造物に対し、点検・調査を行っています。構造物の種類や立地条件により、技術者が近づけないエリアについては、適切な仮設方法を用いて行います。
例えば、橋梁の桁下面などでは橋梁点検車や高所作業車を用います。河川堤防や海岸施設などでは船舶やゴムボートなどを用います。適切な仮設方法の選定や調達も点検調査の重要な一つとして取り組んでいます。
構造物の点検の基本は、近接目視・打音より外観変状等の状態の把握を行い、損傷図へ記録し変状写真とともに整理します。
対象とする構造物は、土木分野では橋梁、トンネルの他、上下水場施設、港湾施設、港湾・河川堤防、砂防ダム、電力施設、地下構造物、防火水槽、擁壁、のり面、グランドアンカー、舗装などがあります。建築分野では、公民館、庁舎、公営住宅などの建物に関する、構造部材、非構造部材、外壁などの点検調査を行っています。それぞれの対象物に応じて適切な有資格者がリーダーとなって対応しています。
構造物の状態把握のために、コンクリートの反発度測定、配筋調査の非破壊検査から、劣化要因や現状状況の把握のためのコンクリートコア採取や各種コンクリート試験など詳細な調査を行います。採取したコンクリートコアは、公的機関をはじめ専門の試験所と連携し、圧縮強度、中性化深さ、塩化物イオン含有量、残存膨張量など各種試験を行い、劣化や変状の要因の追及、将来の劣化の予測などを計算し、健全性の評価を行います。
基礎は、通常地盤中にあり可視化できません。当社では、非破壊試験や孔内探査法を用いて、基礎や杭の形状や状態を調査します。
橋梁の点検では、全ての部材をくまなく点検することが必要です。近接が難しい範囲には、BT-100,BT-200や大型の歩廊式、バケット式の橋梁点検を用いて接近し、橋梁の全部位をくまなく点検します。
トンネルの点検では、片側車線の交通規制を行い、規制帯内を高所作業車で覆工面に近づき技術者が目視やハンマー打音調査などで変状を見つけ、結果図を作成します。規制を伴う作業では、規制図の作成、関係機関との協議等の事前準備、点検当日の規制チームや交通誘導員と連携を取りながら安全に点検作業を限られた時間で行います。
点検以外にも、電時はレーダーやコアリングによる背面空洞調査も行います。