私は、構造物などを建てる地盤についての業務をメインに行っています。
家を建てない限りは、その下にある地盤を気にすることはまずないでしょう。しかし、日本では何の手も加えずに土木・建築構造物を建てられることはまずありません。地盤の性状を調査し、地盤の改良や基礎で足場固めをしながら構造物を立てることが、安全を守ります。
技術者の仕事は、機械的に処理・計算することがメインだと思われがちですが、計算技術が進んだ今でも要所で判断するには専門的な知識が欠かせません。
小さな会社なので、自分の裁量でできる仕事が多いことが魅力です。昔のように、大きな会社で歯車としてやってゆけば一生安泰で暮らせるという時代ではなくなっています。そのため、早く一人前の技術者として認められなければいけないという危機感を強く持っていました。数多くの仕事を通じて経験値を増やし、人より早く成長したいと考えたことが保全工学研究所を考えたきっかけです。また、比較的自由な社風なため、しがらみなども少なく、仕事に集中できる環境があることも魅力だと思います。
地盤は目で見えることが少ない対象です。ですので、見えないものに対して調査・分析をすることになることが多いのですが、自分の仮説が間違いないと証明されたときの喜びはひとしおです。また、リピートでお仕事をいただけるときというのは、自分が信頼されている証なので、とても嬉しく思います。
自分の責任をしっかり果たすことが大切です。私の仕事で言えば、誤った地盤の調査・分析に基づいて建ててしまった建造物を、元に戻すのはほぼ不可能に近い。その責任は重大です。しかし、その重みをしっかりと受け止めてゆくことで人間として大きく成長できると思います。