1)ボアホールレーダ
@測定できる項目と精度
杭長の測定は可能。
損傷の判断は困難。
根入れ長さは地盤の誘電率の変化から推定は可能。
(調査孔削孔時にN値の測定は可能)
測定精度は、杭先端部を直接探査するため、±0.5m以内である。実績としては±0.2m。
ボーリング孔から杭体までの距離が測定可能。(杭位置や杭傾斜が測定可能)
A測定時の適用性
ボーリング孔を必要とする。
ボーリグ長さは想定杭長+5m程度必要。
砂礫支持地盤では、レーダの礫による乱反射の影響を受け、判断が難しくなる場合がある。
測定深度は40mまで可能(ケーブル長に依存)
鋼製、コンクリート製の杭種に対応。
塩水中での減衰が大きく、杭体から0.5m以内に観測孔を設ける必要がある。
2)孔内磁気探査
@測定できる項目と精度
杭長の測定は可能。
損傷の判断は困難。
根入れ長さは測定できない。(調査孔削孔時にN値の測定は可能)
測定精度は、杭先端部を直接探査するが、測定長により磁界変化点が変化するため、±0.5m
程度である。
ボーリング孔から杭体までの距離は測定できない。
A測定時の適用性
ボーリング孔を必要とする。
ボーリグ長さは想定杭長+5m程度必要。
地盤による影響は少ない。
測定深度は100mまで可能(ケーブル長に依存)
鋼製、コンクリート製の杭種に対応。
塩水による影響を受けないが、鋼管杭では杭体から1.5m以内、コンクリート杭では杭体から
1.0m以内に観測孔を設ける必要がある。
3)インティグリティ試験(衝撃弾性波法)
@測定できる項目と精度
杭長の測定は可能。
損傷の有無および深度の測定が可能。
根入れ長さの測定が可能(支持地盤と上部地盤との固さの違いがある場合のみ。)
測定精度は、杭体の推定弾性波速度から求めるため、その推定精度に依存し、杭長の±5〜10%
程度である。鋼管杭の場合は、杭体弾性波がほぼ一定なため、±5%程度である。
杭の傾斜は測定できない。
A測定時の適用性
杭頭部を直接打撃し、杭先端などからの波を測定するため、ボーリング孔を必要としない。
地盤による影響は、弾性波速度が±2%程度変化するといわれている(杭長±2%)。
測定深度は60mまで可能(鋼管の方が適用深度が大きい)。
鋼製、コンクリート製の杭種に対応。
フーチング(床版)上からの測定も可能であるが、この場合損傷の調査精度が低下する。
4)衝撃振動試験
@測定できる項目と精度
下部工系の固有振動数を測定し、その固有振動数の変化から、健全性を相対的に評価。
杭長、損傷の有無や深度、根入れ長さ、杭体傾斜などは測定できない。
A測定時の適用性
下部工の上部を重錐(30~100kg)で打撃し、そのゆれ振動(固有振動数)を測定する。
基礎系の健全性を評価。
群杭基礎のように杭本数が多い場合の杭体の評価は困難。
5)速度検層
@測定できる項目と精度
杭長の測定は可能。
損傷の判断は困難。
根入れ長さは地盤の弾性波速度の変化から推定は可能。
(弾性波速度から概略の地盤のN値は推定可能)
測定精度は、杭先端部を直接探査するため、±0.5m以内である。実績としては±0.2m。
ボーリング孔から杭体までの距離は測定できない。
A測定時の適用性
ボーリング孔を必要とする。
ボーリグ長さは想定杭長+2m程度必要。
地盤による影響は小さい。
測定深度は100m程度まで可能(ケーブル長に依存)
鋼製、コンクリート製の他、木杭に対応。
杭体から1.5m以内に観測孔を設ける必要がある。
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